フリーアドレスオフィスのメリット・デメリットとは!?
- yo_katsuragi
- 2018年8月27日
- 読了時間: 5分
オフィスにて『フリーアドレス』であることが主流になってきた昨今。本当に全ての組織においてフリーアドレスは効果的なのでしょうか。導入しているフリーアドレスは真の機能を果たしているのでしょうか。フリーアドレスの原点から立ち返り、本当に組織に合った働き方について見つめ直してみましょう。

フリーアドレスとは?

そもそもフリーアドレスとはどのような意味でしょうか? フリーアドレスとは、社員が個々の自席を持たず自由に働く席を選択できるオフィススタイルです。従来のオフィスですと、決められた位置にデスクを配置し、一人一台デスクが与えられ、その与えられたデスクで働いていました。要はその「自席」という概念をなくし、空いている席や自由な場所で働くことができるのです。それがフリー(=自由な)アドレス(=所在)です。
現代に求められているナレッジワーク

フリーアドレスを導入する企業が増えてきた背景には「ナレッジワーク」という考え方があります。決められた作業をこなすだけのワーカーではなく、市場に対して価値創造を行うナレッジワーカー。ただ物を消費するだけの「消費者社会」から、物の消費は生活の一部として捉え、サービスや価値観までも消費する「生活者社会」へ変化してきた現代だからこそ、必然的に確立された考え方です。 知的創造を行うナレッジワーカーこそ様々な垣根を越境できる環境、つまりオープンでイタラクティブな”ノンテリトリアル・オフィス”空間が必要になってきました。ノンテリトリアル・オフィスとは、領土を持たないオフィス空間を意味し、機能でいうところのフリーアドレスです。 偶発的な出会いや接触を生み出すことに効果的なノンテリトリアル・オフィス環境。ナレッジワーカーのコミュニケーションパフォーマンスを高め、能力を最大限サポートする為に、オフィス空間をフリーアドレス化させノンテリトリアル・オフィス環境を整えることは重要事項なのです。
フリーアドレス メリット

さてここで、フリーアドレスのメリットについてまとめてみます。
<フリーアドレスメリット>
■コミュニケーションパフォーマンスが高くなる
■スペースソリューションに繋がる
■コラボレーションの促進
■チーム編成が容易
■決断のスピード
■環境美化
■省スペース化
フリーアドレスであることは、いつでもどこでも他部署の人と関わる機会に溢れる為、組織の縦の壁がなくなり横に繋がりやすくなります。今まで関わることが少なかったメンバーとコミュニケーションをとることで、多様なコラボレーションの在り方が生まれるのです。新しい発想は「頭の中」ではなく、「会話の中」から創出される。フリーアドレスは多様なコラボレーション、豊富なコミュニケーションを助長させ、新しいアイディアの創造を促進させることができます。また、自席を持たないことによりオフィス空間全体が共有の場所となる為、抱える書類ストックも減り、環境美化の意識も高まることになります。
フリーアドレス デメリット

対に、フリーアドレスのデメリットについてまとめてみます。
<フリーアドレスデメリット>
■適度な距離感を保てない
■組織の中でのアイデンティティロス
■集中しにくい
■ルールの浸透不足
■固定の場所になりがち
■従来のマネージメント方式では対応しきれない
フリーアドレスを導入することにより、オープンコラボレーションの場がスタンダードのオフィス空間となります。プロジェクトの内容やその時の作業内容、そして個々のパーソナリティによっては、あまりにもオープンすぎる空間や、他者との距離が近すぎることにストレスを感じる場合も。また、フリーアドレスで自由に働く場所を選べるがゆえに、集団意識が希薄となり「組織への所属意識の低下」へ繋がることも懸念されます。これら課題を補うには、適切な相互作用が維持できるように配慮したオフィス空間作り、及び組織への所属意識保持(アイデンティティの確保)の為の新たな文化を創造する必要があります。 たな文化を創造する必要があります。
フリーアドレスに対する課題をどのように解決していけば良いのでしょう

<集中スペースの確保> オープンコラボレーションは、他人の集中を阻害してしまう場合もあります。一人集中できるスペースを設けてあげることで、自身で働き方を選択できるようにします。

<フリーアドレスをルール化> フリーアドレスでありながら、いつも同じ席にいては利点が最大限に発揮されません。「ルーレットやくじ引きなどでその日に座る席を決める」必然的に座る席を毎日変えてしまう仕組みも、適切な運用には重要です。

<モバイルロッカーにネームプレート> フリーアドレスになり自席がなくなることで、自分は企業のどこの位置にいるのかが不明瞭になったり、自分がその企業に属している意識が薄くなってしまう場合もあります。モバイルロッカーに自身の写真や名前が存在するだけで、「自分はこの企業に存在しているのだ」という帰属意識へと繋がります。
組織の数だけ働き方がある

ワークスペースをフリーアドレス化することは、イノベーションには重要なツールになり得ます。もちろん、その効果を最大限機能させられる企業業態であることが前提。 そして、業種によってはフリーアドレス制で働くことの方が非効率になってしまう場合もあります。 完全なフリーアドレスでなくとも、緩やかなフリーアドレススタイルとして「グループアドレス」もあります。部署ごとにエリアを決め、エリア内でフリーアドレスとする働き方です。「働く場所を選べる」というフリーアドレスのメリットと、「部署内でマネージメントが徹底強化できる」という固定席のメリットが融合したスタイルのグループアドレス。コラボレーションや情報共有のスピードがアップするだけでなく、チームとしての一体感を保つことができるグループアドレスのワークスタイルは、多くの企業スタイルにマッチする万能な働き方でもあります。 フリーアドレス・グループアドレス・固定席ー・・・ ひとつひとつの企業がもつ固有の文化、働き方と十分に向き合い、組織にとって一番最適な働き方・オフィスデザインを構築していきましょう。
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