シンガポールのエコフレンドリーなホテルで最先端デザインに触れる。
- 2018年4月18日
- 読了時間: 4分
空間デザインでは最先端、国をあげてエコに取り組む、そんなシンガポールのお国柄を代表する2つのデザインホテルをピックアップ。
シンガポール随一の緑あふれるボタニカルホテル。

ガラス張りのビルとそれをつなぐ緑の回廊は未来都市のよう

こぼれんばかりの緑が埋め尽くすスカイガーデン

天然素材の石や木材を効果的に使ったスタイリッシュなロビー
近年に建てられたシンガポールのビルには、室内や屋上、テラスなど至るところに多彩なグリーンが設置され、植物の存在が際だっている。ガーデンシティを標榜し、緑地の拡大に熱心な政府が、新しい建物に一定以上の広さの緑地を設けることを義務付けたためだ。
そのトレンドを代表するホテルが “ホテル・イン・ア・ガーデン”というコンセプトを掲げる「パークロイヤル ピッカリング」。ホテル内に広さ1500平方メートルのスカイガーデンと長さ300メートルものガーデントレイル(遊歩道)を有する、きわめてボタニカルなホテルだ。イノベーティブなデザインで知られる地元の建築家ユニット、WOHAが設計を担当し、政府のグリーンビルディング認証制度の「グリーンマーク」でプラチナアワードを受賞するなど注目を集めている。
都心で過ごす、エコフレンドリーなホテルライフ。

鳥かご型のカバナが並ぶプールエリアはまるでSFの世界

アースカラーで統一したシンプルかつエレガントな客室

緑に囲まれた空間での食事は格別。オールデイダイニング「ライム」
ホテル5階のプールエリアは、鳥かご風のカバナが置かれたオープンエアの空間。流れ落ちる滝の水が循環して、緑の木々に潤いを与えている。同じ階にはガーデントレイルの出発点もあり、南洋植物が生い茂る遊歩道を歩けば、大都会に居ながら最高のリラグゼーションタイムが味わえる。
客室もボタニカルでエコフレンドリー。窓の外には緑鮮やかなグリーンがのぞき、エネルギーの多くは太陽光発電でまかなわれている。天然素材を使った家具や自然の風合いを活かしたファブリックを備え、落ち着きのあるアースカラーでまとめられているシンプルでいてエレガントな空間は最高に居心地がいい。
1階の「ライム」は緑に包まれたオールデイダイニング。シンガポール料理に加え、世界各国の料理が堪能できる。ティースタンドで提供されるアフタヌーンティーも好評で、いつも大勢の客で賑わっている。
パークロイヤル ピッカリング(PARKROYAL on Pickering)
3 Upper Pickering Street, Singapore 058289, Singapore
Tel./+65-6809-8888
料金/1室1泊320シンガポールドル~(2017年11月現在)
https://www.parkroyalhotels.com/ja/hotels-resorts/singapore/pickering.html
著名なアーティストが競演。スタイリッシュなデザインホテル。

634室の大規模ホテル。サンテックシティやラッフルズホテルにも近い

モダンで洗練されたデザインのロビー。奥にはフェルナンド・ボテロの彫刻も

ボールルームの天井から下がる無数のガラスのインテリアが印象的
シンガポールのサウスビーチ地区に2015年にオープンした634室の大規模なデザインホテル「ザ・サウスビーチ・ホテル」が、今年のはじめ、JWマリオットブランドに加わった。開業時は、当代一の人気デザイナーのフィリップ・スタルクによるホテルデザインで話題を集めたが、JWマリオットに仲間入りするにあたって、「JWマリオット・ホテル・シンガポール・サウスビーチ」へと改名。ロビーなど共有部分をリニューアルしてさらにゴージャスなホテルへと生まれ変わった。
エントランスには、韓国のメディアアーティスト、リー・リー・ナムが “旅”を表現したデジタルアートを映し出す巨大なLEDスクリーンをセット。館内には、コロンビアの巨匠、フェルナンド・ボテロの彫刻『馬に乗る女性』をはじめ、30点以上のアートが飾られている。多彩なデザインの照明や家具、ウォールアートが重なり合い、アーティスティックな空間が広がっている。
ゲストが求める機能性と快適さを追求したデザイン。

階上のオープンスペースにプールを設置するのがトレンド

ホワイトで統一された「プレミアムスイート」のバスルーム

シンプルで洗練されたインテリアが揃う「クラブ デラックスルーム」
ゲスト用エレベーター内のデジタルウォールペーパーは、フィリップ・スタルクのアイデア。ミラノに拠点を置く2人組のクリエイター「カルノフスキー」による旅をテーマにしたアートが次々と映し出され、ロビーから客室階へと上がるわずかな時間の間に、ゲストはさまざまなデスティネーションの旅をバーチャル体験することができる。
エントランスやエレベーターのデジタル効果を駆使したサイケデリックなアートスペースと打って変わって、客室は機能的なインテリアが配された落ち着いた空間。「ゲストが求めるものを徹底的に考え、デザインはホテルがその役割を果たすためにある」というフィリップ・スタルクの信念の表れであり、このシンプルさ、居心地の良さこそ、彼が本来求めているものだ。
JWマリオット・ホテル・シンガポール・サウスビーチ
(JW Marriott Hotel Singapore South Beach) 30 Beach Road, Access via Nicoll Highway, Singapore 189763, Singapore Tel./+65-6818-1888 料金/1室1泊350シンガポールドル~(2017年11月現在) http://www.marriott.co.jp/hotels/travel/sinjw-jw-marriott-hotel-singapore-south-beach/
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