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ハロウィーン市場頭打ち:定着の現れか

  • 執筆者の写真: yu_ishihara
    yu_ishihara
  • 2018年10月25日
  • 読了時間: 3分

日本でもすっかりおなじみになった欧米発祥の祭り「ハロウィーン」(10月31日)。仮装グッズや菓子、外食などの推計市場規模が2016年にバレンタインデーを超えたことが話題になったが、ここにきて2年連続で減少し、関連商品の売り場を縮小する大型店も出てきた。一方で仮装パレードなどの人気は変わらず、必ずしもお金をかけなくても楽しめる普通のイベントとして定着してきたことの表れとも言えそうだ。


大型雑貨店「天神ロフト」(福岡市中央区)は昨年まで毎年、1階の入り口付近に仮装用衣装など関連グッズの特設コーナーを設けていた。しかし、今年はパーティーグッズなどを販売する5階の一角で従来の3分の2の広さに縮小し展開。商品も13年の約700種類から半分に減らした。  


広報の岩崎弥生さん(32)は「昨年から売れ行きが悪くなった。100円ショップなどで安く手に入るようになったことや、昨年のものを再利用する人が増えたことも影響しているのでは」と分析する。  


「雑貨館インキューブ天神店」(同区)も昨年、関連グッズの売り上げが前年比2~3割減になり、今年から特設コーナーを廃止。担当者は「恒例行事になり、衣装を手作りする人も増えているようだ」と話す。  


市場調査や記念日の登録をする日本記念日協会によると、ハロウィーンの推計市場規模は12年に805億円だったが、16年には過去最高の1345億円に達し、バレンタインデーの市場規模(同年は1340億円)も抜いた。だが17年は1305億円と減少に転じ、今年は1240億円と更に減る見込みだ。  


もっとも、仮装パレードなどのイベント自体は今年も花盛りだ。21日には北九州市のJR小倉駅周辺で、「西日本最大級」と銘打つ「こくらハロウィン」があり、魔女やゾンビ、人気漫画のキャラクターなどにふんした約2200人がパレードした。28日に福岡市の博多地区で開催されるパレードと仮装コンテストも、事前申し込みで既に定員(約500人)に達している。  


10月の恒例イベントとして定着するなか、業界としても消費の裾野を広げる工夫を凝らし始めている。ハロウィーン向けのスイーツなどが並ぶ同市中央区の百貨店、岩田屋の地下食料品売り場。バイヤーの山本真也さん(48)は「以前はハロウィーン用にパッケージだけ変えるケースが多かったが、最近はハロウィーンの時期しか食べられない限定商品を作って並べる店舗が増えた」と言う。  


日本記念日協会の加瀬清志代表理事(65)は「ハロウィーンはここ数年で地方にまで定着し、市場も頭打ちだ。来年は10月の消費税増税のあおりを受けて更に減少する可能性がある」と指摘。「これまでは仮装人気のお陰で市場規模が拡大してきたが、今後も消費を増やすためにはホームパーティーなどハロウィーンの新たな楽しみ方や定番商品を提案していかなければならないだろう」と語る。

 
 
 

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