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‪デサントがワコールと提携

  • 執筆者の写真: yu_ishihara
    yu_ishihara
  • 2018年8月31日
  • 読了時間: 2分

‬ スポーツウエアと下着という異色のコラボが誕生する。「デサント」「ルコックスポルティフ」「アリーナ」「アンブロ」などを展開するデサント(東証1部、石本雅敏社長)と、下着大手のワコールホールディングス(HD、東証1部、安原弘展社長)が包括的な業務提携を結ぶことが、日経ビジネスの取材で明らかになった。

 まずは業務提携だが、いずれは資本提携、そして経営統合も視野に入れているという。2018年3月期の連結売上高を合算すれば3400億円に迫るアパレル企業が誕生するかもしれない。


 包括的業務提携の内容としては、スポーツインナーやスイムウエアなどで両社の強みを持ち寄った女性向け新商品の共同開発などが考えられる。加えてEC(電子商取引)サイトの相互乗り入れや、両社の海外拠点の相互活用によるグローバル展開の強化なども進められるだろう。提携が一段と深化していけば、いずれは物流網の共通化、工場の共同使用なども視野に入ってくる。


 両社が取り扱う商品は重複する分野がほぼなく、補完関係が強い。海外販売を見てもワコールは欧米に強く、デサントはアジアに足場を持つ。双方が持つブランドを取り扱えば、グローバルで販売増につなげられるメリットもありそうだ。

 相乗効果を引き出しやすそうな絶好の組み合わせはいかにして生まれたのか。


 実はこの背後には、伊藤忠商事の存在があった。伊藤忠が両社の提携を取り持つといった関係ではない。今春時点でデサント株を25%握る筆頭株主の伊藤忠はデサントに事実上の買収を提案したものの、デサントがこれに反発。対抗策としてワコールをホワイトナイト(白馬の騎士)に選んだのだ。



短期間で一気にまとめた提携話


 この数カ月、水面下ではデサントと伊藤忠の間で激しい応酬があった。

 「伊藤忠が主体性をもってデサントを経営したい」「25%しか持っていない状況では何もできない。(株主総会で他企業との合併など経営の重要事項を決める議決を否決できる)34%でも意味がない」


 7月下旬、岡藤正広会長の意向を受けた伊藤忠幹部は、デサントの石本雅敏社長にこう告げた。事実上の最終通告だった。


 不信感を強めたデサントは伊藤忠に対抗すべくホワイトナイト探しを急ピッチで進めた。そしてたどり着いたのがワコールだ。デサントと同じく創業一族が経営の要職に就き、創業家同士の交流もあった。今年6月に就任したワコールHDの安原弘展社長もデサントの石本社長とは関西財界つながりで公私とも付き合いがあり、意見を交わすなど仲が良い。こうした人間関係が短期間で一気に提携話をまとめる一助になったようだ。

 
 
 

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