〈IDÉE〉創始者の黒崎輝男が手掛けたライフスタイルホテルがオープン!
- yu_ishihara
- 2018年10月16日
- 読了時間: 2分
11月1日、上野に新たなライフスタイルホテル〈NOHGA HOTEL(ノーガホテル)〉がオープンする。キュレーターを務めるのは〈IDÉE〉創始者の黒崎輝男。地元のお店とのコラボプロダクトやイベントを多数企画する “地域と深くつながるホテル” とは?

80年代、ヨーロッパのアンティーク小物や家具の輸入を始め、ブームを起こしたかと思えば、「Farmers Market @UNU」や「246Common」といったコミュニティスペースをつくるなど、いつの時代も新たな価値を生み出してきた〈IDÉE〉創始者の黒崎輝男。そんな黒崎が次に手がけたのはホテル。もちろん、ただの宿泊施設ではない。
ホテルのコンセプトは “地域との深いつながりから生まれる素敵な体験”。下町台東区ならではのものづくりの文化が残る街でありながら、若いクリエイターを迎え入れる風土もある上野。伝統と現代が共存する文化にインスピレーションを受け、1号店を上野に決めた。地域の職人やデザイナーとつくるプロダクトやアートをホテル内の各所に配し、上野の街と世界の旅人をつなげる役割りを担うコミュニティスペースが〈NOHGA HOTEL〉の目指す姿だという。
ガラス製品、皮製品、木工雑貨や銀器タンブラーといった雑貨類からお米にコーヒー、味噌、乾物などの食材を扱う店まで……。コラボレーション先を見つけるため、スタッフが2年半かけて上野エリアで訪れたお店は400軒ほど。さらに海外のライフスタイルホテルの視察として短期間で300以上のホテルを巡ったという。
そして、地域の店やクリエイターと連携したオリジナルプロダクトが30アイテムほど実現した。デザイン性と機能性の高い文具を扱う〈カキモリ〉、江戸時代から続く江戸切子の技術に新たなデザインを落とし込んだ〈木本硝子〉、真鍮のプロダクトを得意とする〈ALLOY〉、谷中にある自転車屋さん〈tokyobike〉、自家焙煎の珈琲とチョコレートの専門店〈蕪木〉など。これらの工房やショップがすべて周辺エリアにあったというから驚きだ。これからもどんどん新しいプロダクトを企画していく予定だそう。
客室の家具は〈TIME&STYLE〉が日本各地の工房で製造。その他にも、日本のもの作りをゲストに楽しんでもらえるよう、アメニティは〈dear mayuko〉、備品は〈SyuRo〉などと共同製作した。
海外のホテルを視察した中で黒崎らが感じたのは、日本のホテルは、ビジネスホテルを含む寝泊りが目的のシティホテルか、特別感のあるラグジュアリーなホテルと二極化しているということ。一方海外のホテルは、朝食をふらりと食べに来たり、地域の人たちが集える、もっと身近でカジュアルな場所であること。ここ上野から、日本ならではの新しいライフスタイルホテル文化が広まっていくことを予感させる。
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