【重要なのは8つのキーワード】 2018年流行の最新インテリアトレンドとは?
- asako_f
- 2018年10月12日
- 読了時間: 10分
ファッションと同じようにインテリアのトレンドも変化します。インテリアコーディネートや家具選び、そして流行色の傾向などは年々、変化しています。顕著な動向としては他ジャンルと同じく2極化が進み、かなり複雑になっています。今回は、近年の流行の変化を踏まえながら、2017年のインテリアトレンドを8つの対立するキーワードで分類し、それぞれの特徴や傾向を紹介します。
近年の傾向から8つのインテリア・キーワードに分類
今回、インテリアのスタイルを以下のチャートで8つに分類して、それぞれ2極に対立する概念で4種類の方向性を考えてみました。

赤:①ナチュラル ⇔ ②インダストリアル=「ライフスタイル」の対比軸
青:③タッキー ⇔ ④シンプル(塩系)=「色と柄」の対比軸
緑:⑤ゴージャス ⇔ ⑥チープシック=「コスト(経済)」の対比軸
黒:⑦モダン ⇔ ⑧クラシック=「時間(歴史)」の対比軸
それぞれのインテリア・スタイルが対立する「2極」を示しています。以下、2極化するインテリア・スタイルのキーワードを解説します。
①ナチュラル(NATURAL)・ ②インダストリアル(INDUSTRIAL)
チャートの赤で示した「ライフスタイル」の軸です。
①ナチュラル

・ボタニカルスタイル
ナチュラル派のトレンド代表格は「ボタニカルスタイル」。ボタニカルとは「植物」のことです。
インテリアで使う場合「植物をモチーフにした柄」をいう場合と、「リアルな観葉植物」を指す場合の2通りあります。
特に壁紙(クロス)などで人気がある「ボタニカル柄」は北欧系のものや、伝統的なウイリアム・モリスの花柄などが数年前から人気でいまだにトレンドです。
花や植物をモチーフにしたプリントパターンはファッションでもよく使われる定番ですね。
しかし現在は、後者の「生きた植物やプラント類を部屋に飾る」というスタイルが旬なトレンドなのです!
ポイントは、ワンポイントでパキラなどの観葉植物をポンと置くのではなく、複数の植物をインテリアとして配置すること。その場合は決まったテーマがあるとベストです。

たとえば多肉植物(サボテンなど)でまとめる、あるいはトロピカルテイストで南国っぽいイメージでレイアウトするといったストーリーづくりが大切。人気のトロピカル系で比較的育てやすい植物として「モンステラ」などが人気です。
部屋の中にグリーンや花がある生活は潤いがありますよね!また、同じ「いきもの」でも植物なら、ペットが飼えない事情のある人も比較的ラクにお世話できるでしょう。
・エコロジー、スローライフ

ナチュラルなインテリアには、古民家や昭和な団地などをリノベーションして「自然に暮らす」というスタイルも含まれます。
自然を感じることができる場所に中古などのマンションを購入する人も多いです。
でも本格的な「田舎暮らし」はハードルが高いですよね。
そこで都会の住まいに疲れた人々が、まずはセカンドハウスとして比較的、都市に近いエリアに物件を求めているようです。
ゆくゆくは移住することも考えて海や山を感じることができる物件で、週末はスローに暮らす、というナチュラルなライフスタイルも増えてきています。
②インダストリアル

インダストリアルとは「工業的な」という意味。
インダストリアル・インテリアは、ナチュラル・インテリアとは真逆のテイストです。
こうしたインテリアは数年前から「男前インテリア」などの名称でも知られています。
基本は素材に金属(黒いスチール、アイアンなど)と、こげ茶系などのやや暗いブラウンの木材(厚めの無垢材)を組み合わると工業的で男性的な雰囲気になります。
家具も飾り気のないつや消しのアイアンスチールの脚にダークブラウンの厚い無垢の天板を載せたダイニングテーブルや、黒いパイプのフレームに茶系のレザーを張った椅子やソファを使うとインダストリアルなインテリアになります。
また設備も家庭用ではなく業務用・プロ仕様の質実剛健なデザインをチョイスします。

③タッキー(TACKY)・ ④シンプル(SIMPLE)「塩系」
チャートの青で示した「色と柄」の軸です。
③タッキースタイル

このワードが一番2017年のトレンド感を表しています。
英語の「TACKY(タッキー)」は、昨年ファッション用語としてブレイクしたのでご存知の方も多いでしょう。
TACKYを英和辞典で調べると、「悪趣味な」「品の悪い」「みすぼらしい」「安っぽい」「見苦しい」「質の悪い」「安作りの」……、といったマイナスなイメージの言葉が上がってきます。少し驚きますよね。
ファッションで使われる場合は、「柄もの」×「柄もの」や(場合によっては全アイテム柄もの)、ハデハデな発色の原色、そして凹凸のある素材をまとってコーディネートすることをいいます。一般に、ダサい、垢ぬけないと感じてしまいそうな着こなしです。
この波が、早くもインテリアコーディネートにも登場してきました。
インテリアで使う場合も、ファッションと同じで、黄・赤・青などの壁紙はあたり前。
テーブルクロスやカーテン、ラグマット・絨毯、ソファ・椅子の張地などのファブリックも大胆なプリント柄や、ざらざら・ごつごつとした素材感のものを使います。
タッキーインテリアをまとめるコツは「ワンポイントのアクセントとして1箇所だけをハデにするのではなく全体をタッキー・テイストにする」ということ。臆することなく自分の好きな色・柄で部屋を埋め尽くしてしまいましょう!
日々着ているファッションの傾向と同じ「好み」で仕上げることで、自分らしさが全面に出た心地よいポップな部屋になりますよ。
④シンプル(塩系インテリア)

いままでも「シンプル・モダン」などと呼ばれ、モノトーンを基調にした落ち着いたシンプルな部屋というスタイルはありました。
無印良品の家具や調度品に代表される白や淡色を中心にスタイリングする方法です。
ですが、近年シンプルさがさらに進み各種メディアで「塩系インテリア」と呼ばれるコーディネートが増えつつあります。2017年のトレンドではタッキーとともに、最もホットなスタイル!塩系とは、もともと「塩顔男子」「塩顔女子」などといって中世的で色白、どちらかというと薄味で、はかないイメージのあっさりした顔を指す言葉です。
転じて、インテリアでもシンプルな「塩系インテリア」が登場してきました。塩系インテリアの定義は「塩系」に対する個人のとらえ方や好みがあり、一定した決まりはありません。
ブルックリンスタイル的なカフェスタイル、前述したボタニカルスタイル、インダストリアルスタイル、いまでも根強い人気の北欧系スタイル……、などでも住む人の解釈によっては「塩系インテリア」になります。
しかし、いわゆる「シンプル・モダン」との違いは、同じ白などの淡い色を基調としながらも、どこかに住人の「こだわり」を感じさせるものが塩系。

コーディネートは「ミニマリスト」と呼ばれる人々に近く、“モノ”は少ない傾向があります。でも、「厳選したいいモノだけを置く」という意識が強いトレンドといえるでしょう。
それはたとえば「希少なヴィンテージのギター」「1点もののデザインされた椅子やソファ」「おばあちゃんが使っていたミシン台」「アナログレコードのコレクション」……、といったモノたち。
文化系で知的な感じがするプロダクトが、薄めのトーン、ホワイト系の空間に、ギャラリーのように趣味よく配置されているのが特徴です。
塩系インテリアは、はじけたイメージの「タッキースタイル」のインテリアとはまったく違う方向性。
これはどちらのベクトルに向かうのが正しいとか、間違っているとかではなく、個人のパーソナリティや趣味・嗜好の差でしかありません。心地よいと感じる部屋ならばどちらも大いにアリです。
⑤ゴージャス(GOGEOUS)・⑥チープ・シック(CHEAP-CHIC)
チャートの青で示した「コスト(経済)」の軸です。
⑤ゴージャス

ゴージャス感は富裕層のインテリアでは長年、一般的なスタイル。
しかし、近年、事情が変化しつつあります。
いわゆる「お金持ちのインテリア」ですが、海外の若いセレブと呼ばれる人たちの間では、あきらかにトレンドが変化しつつあります。
かつてのお金持ちの家や部屋は「金に物言わせた感」のあるものが多かったような気がませんか?映画でみるようなリッチな家庭は、トラの皮の敷物があって、よくわからないけど高そうな裸婦などのブロンズ像や著名絵画が飾ってあるなどといった印象を受けます。
今回、この記事を書くために数人のインテリアデザイナー、コーディネーターの方々に「2017年、気になるインテリア傾向や人」について聞いてみたところ、複数の人から意外な人物の名前が挙がってきました。
それは、今年、第45代アメリカ大統領の座についたドナルド・トランプ氏の娘の、イヴァンカ・トランプさん。
イヴァンカさんのインテリア・コーディネートに注目を集めているインテリア関係者が多いことに少しびっくりしました。
六本木に事務所を構えるデザイン事務所、株式会社メイドイン社長で経験豊かなインテリアデザイナーの高橋哲史社長もイヴァンカさん推しのひとり。
「今年のインテリアトレンドのヒントとして気になるのがイヴァンカさんですね。彼女の家はアパートメント、日本でいう高級マンションですが、設えはいたってシンプル。モダンアートがさりげなく飾ってあるところもいいし、家具も決して高価なものではありません」(高橋社長)
そして、本人が着ているワンピースも極めてシンプルなところもポイントだと高橋社長は語ります。「セレブでプレイメートみたいなルックスだけど、クレバーで、でしゃばらない。仕事も充実しているし家族もある。そんなバランスがスマートだなと。2017年は『アートのあるインテリア』『ファッションもシンプル』、そして『グラマーであること』(笑)が、大きな要素となるでしょう」お話をうかがった高橋社長の事務所にあったアメリカのインテリア雑誌に載っていたイヴァンカさんの部屋は従来の「お金持ちの部屋」ではない心地よいコーディネートでした。育ちの良さからくるハイセンス感、といったたたずまいです。
⑥チープ・シック

チープ・シックとは「お金をかけないでファッションを楽しむ」こと。
古くは1970年代にアメリカで流行ったスタイルです。現代でも安い中古品や100均の小物や雑貨をリメイク・DIYして、安いけれども満足感のあるインテリアや暮らしを楽しむ人が増えてきました。
単に「チープ」とか「チープインテリア」と呼ばれることもある、ここ数年のトレンドです。
北欧のIKEAやフライングタイガー、そしてニトリなどに代表される「ファスト・インテリア」は、チープだけど、かわいい色や形のインテリア・プロダクツがたくさんあります。安くてもかなり楽しめるし、商品のクオリティも高くなってますよね。
安価なエレメントでも工夫次第で「ゴージャスインテリア」にも負けない居心地の良いインテリアを実現できる「チープ・シックスタイル」。このトレンドは当分、続きそうな気配です。
⑦モダン(MODERN)・⑧クラシック(CLASSIC)
⑦モダン

ここで「モダン」と呼ぶスタイルは、最先端の家具やインテリアを追及して常に新しいものを追う方法です。
たとえば、毎年イタリアで開催される「ミラノサローネ(国際家具見本市)」で、エッジの効いたモダン・ファニチャーをチェックしたりする、本質的な意味で「トレンド」を追うやり方。
ファッションと同じく、毎年、インテリアのモードは変化し続けています。
また、近年、特にファッションとインテリアの流行のスピードは接近していて、「トレンド・カラー」は、ほぼ同時期に並ぶようになりました。
先に紹介した、「タッキー」などは、そのいい例でハードな原色系のカラシ色などは、ファッションが先行しましたが、インテリアも追随する形ですぐトレンドとなります。
なお、広い意味で「モダン・デザイン」という場合は、コルビジュエ、ミース、アアルト、イームズ、ウェグナー……、などトレンドに左右されない、定番の1950年代戦後の巨匠デザイナーの家具を指す場合も多いです。
⑧クラシック

モダン(現代的)に対してのクラシック(古典的)という意味で、ここではデザイナーが設計し家具を量産する以前の、伝統的なインテリアを指します。
一見、トレンドと関係ないと思うかもしれませんが、先のイヴァンカ・トランプさんのように、自由に額に入ったモダンアートとクラシックな家具(ヴィンテージやアンティーク)を組み合わせ、上品にまとめる手法は最先端でハイ・ファッション的な最近の傾向です。
クラシックなフランスやイギリスのアンティーク家具は高価ですが、歴史を感じるたたずまいは、さまざまなインテリアに合います。
前出のイヴァンカさん推しの高橋社長も、アンティーク家具を再評価しています。「家具はアンティークがいいでしょう。アンティークといっても美川憲一さんや、Gacktさんの部屋にあるような濃いめなものではありません。
モダンな空間にさりげなく置く程度がいいでしょう」(高橋社長)また、クラシカルな洋風家具をあえて和風の部屋にコーディネートするなど、エレクティック・スタイル(タイプの違うものをあえてミックスする方法)という和洋折衷も、感度の高い人々の間でトレンドです。
記事では、スタイルの分析を語っておきながら矛盾するように聞こえるかもしれませんが、「トレンドを意識しつつ、スタイルにとらわれないこと」が、心地よい空間を生み出す最大のポイントです。
参考URL
https://kawlu.com/journal/2017/02/03/27716/
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